2016年12月13日火曜日

日中戦争・南京事件80周年を控えて

 79年前の今日、日本は「南京陥落」の知らせで沸き立っていました。しかし今日の新聞に「南京」という文字は何度出てくるのでしょうか。
 今年75周年を迎えた真珠湾攻撃(対英米開戦)ですらメディアでの扱いはかつてとは比べものにならないほどささやかでしたから、南京事件をとりあげるごく僅かなニュースも“中国が追悼式典開催”という内容のものに終始し、この大虐殺や日中全面戦争を主体的に問題にしようとするものが見当たらなかったのは、驚くには値しないのでしょう。
 80年目の節目となる来年についても、現在のメディアの状況を考えれば大きな期待を抱くことはできないかもしれません。しかし、このまま歴史が無関心のなかに沈むままにしてしまうならば、歴史修正主義者たちが勝利を収めたことになってしまいます。

 南京事件・日中戦争70周年にあたる2007年には一連の国際シンポジウムが開催され、その成果は『南京事件70周年国際シンポジウムの記録』として刊行されています。12月の東京シンポジウムでは私も発言者の一人として登壇させていただきました。このような規模には到底およびませんが、来年に向け自分たちでなにができるかについて友人たちと相談しているところです。